微弱光波長解析装置
仕様書
1. 概要
本装置は物質が放電及びチャージアップするときに発光する微弱光を計測し、その波長解析を行う装置です。紫外領域から近赤外領域の微弱光を計測可能とするため、光電子増倍管を検出器とし、放電と同期したロックイン検出を行います。また分光器のゼロ次光で波長分散しない光を観測し、その後波長分散した光を計測することができます。(概略ブロック図参照)
2.構成
1)放電発光集光光学系
2)分光器
3)検出系
4)制御用パソコン及びソフトウエア
3.各部の仕様
1)放電発光集光光学系
物質が放電あるいはチャージアップするときの発光を効率よく集光するための明るい光学系です。本装置は紫外領域から近赤外領域の発光を計測可能としますが、赤外領域の発光も集光可能とするため、集光系にはCaF2レンズ系を用います。また発光点のみの光を選択的に捕らえるため、光学系に遮光壁を設け外乱光の影響を抑えることができます。
2)分光器
明るさを重視した小型(焦点距離約120mm)で明るい分光器です。ゼロ次光観測時には回折格子をミラーに変更して発光した全波長領域の光を計測可能です。標準分光器としては200~1000nmのスペクトルを計測可能です。
3)検出系
検出器は紫外領域測定用光電子増倍管と可視領域及び近赤外領域測定用光電子増倍管があり、測定領域によって選択・装着することができます。パルスジェネレータにより発生したパルスを試料の放電(あるいはチャージアップ)用電源に入力すると同時にロックインアンプで同期して光電子増倍管からの信号を取り出すことができます。このことにより外乱光を除去し、試料の放電によって発生した光のみを高感度で微弱光計測が可能です。
4)制御用ソフトウエア及びパソコン
分光器の波長制御及びロックインアンプからの信号取得を行うソフトウエアとノートパソコンです。
5)使用電力:100V、300W