神奈川工大干渉回路
1.概要
本装置は水晶振動子に吸着した種々の化学成分を検出するためのマッハツエンダ光干渉計です。光路調整が容易に行えるように各プリズム及びビームスプリッタは水平方向及び垂直方向の首振り調整機構を有しています。
2.構成
マッハツエンダー干渉光学系は以下のユニットから構成されます。
1)半導体レーザー光コリメータレンズ
2)上下微調整ホルダー
3)キューブ型ビームスプリッター:2個
4)全反射プリズムミラー:2個
5)上下左右首振り調整機構:4個
6)水晶振動子傾き調整機構
7)水晶振動子上下調整機構
8)出射光学系X軸移動ステージ
3.各部の機能と仕様
マッハツエンダー干渉光学系は以下の機能と仕様を有しています。
1)レーザー光微調整機構
入射レーザー光を疑似平行光束(レンズより約50mmの位置に焦点)としテーパー付石英板の端面(厚さ0.5mm)に焦点を結ばせることができます。光束は上下(±5mm)微調整可能です。
2)入射光学系
レーザー光はキューブ型ビームスプリッタ(10X10X10mm)により50%を透過し、50%を反射されます。
透過したレーザー光は水晶振動子に入射し、反射したレーザー光は全反射プリズムミラー(5mm)に入射、全反射して水晶振動子に入射します。
キューブ型ビームスプリッター(BS)及び全反射プリズムミラーを透過・反射する光の透過率、反射率は入射する光の偏光に依存しません。
またビームスプリッタ及びプリズムは水平面内回転微調整機構及び上下の首振り調整機構を持ち、上方から操作可能です。BSの透過光とプリズムの反射光の光軸距離は3~4mmとなります。
3)水晶振動子
入射光学系からのレーザー光はテーパー付石英板端面に入射、水晶振動子を透過し、さらにテーパー付石英板で集光されます。これらの光学素子は入射光学系からのレーザー光路中に入るように上下に±2mm微調整可能です。
光学素子を設置した基盤は入射レーザー光と平行にするため、傾き調整機構を有します。
4)出射光学系
水晶振動子及びテーパー付石英板からのレーザー光は全反射プリズムミラー及びキューブ型ビームスプリッタに入射します。
プリズム及びBSホルダーは入射光学系と同様水平面内回転微調整機構と上下首振り調整機構を持ちます。
プリズムからの反射光とBSを透過した光は干渉し、検出器に導入されます。
5)出射光学系移動ステージ
出射側全反射プリズム及びビームスプリッター光学系はX軸移動ステージ上に設置され、入射光学系との距離0~60mm(±30mm)の範囲で任意の位置に固定できます。
6)光学系ベース
レーザー導入光学系、入射光学系、出射光学系を設置するベースです。