高温延伸装置
高分子フィルム用高温延伸装置仕様書
1.概要
本システムは高分子フィルムの試験片を室温から高温まで加熱しつつ、一定の力で引っ張り延伸しながらラマンスペクトルを測定し、高分子の構造変化を評価する装置です。ラマン測定に用いる装置は日本分光製NRS-2000(CCD付き)であり、顕微もしくはマクロラマン測定装置により、後方散乱方式で行います。使用するレーザー光源はアルゴンイオンレーザーを用い、488nmもしくは514.5nmを励起光として用います。
2.構成
本装置は試料を加熱・延伸するチャンバーと延伸するための荷重の検出部、温度制御のためのコントローラーから構成されます。
1)高温延伸チャンバ
a)加熱ステージ
b)延伸部
2)荷重検出部
3)温度コントローラー MC-1000Y
3.各部の仕様
1)高温延伸チャンバ (図面を参照下さい)
a)加熱ステージ
温度範囲 | 室温~350℃(ヒーター温度) |
ヒーター | セラミックヒーター使用 |
試料ステージ材質 | Ag |
試料ステージサイズ | 24mm×32mm |
有効サイズ | 10mm×14mm |
開口部 直径 | 4 mm |
開口部窓材 | 合成石英 |
試料雰囲気 | 大気(なるべく湿度の低い条件)、不活性ガス |
形状 | 121mm×80mm 高さ 43mm |
チャンバー材質 | アルミ合金 加工後アルマイト処理 |
重量 | 約1kg |
熱電対 | Type K |
水冷 | 100℃以上で使用する場合は、チャンバにもうけられた、水冷機構に水を流して使用すること。 |
b)延伸部
オリエンタルモーター株式会社製 スライダシリンダ使用
型式: SRL40B1-02C2T
仕様に関しては別紙資料を参照
2)荷重検出部
株式会社 共和電業社製 特型ロードセル使用
型式 | LUB-S―50NS18C |
外径寸法 | 別紙参照 |
定格容量 | 50N |
許容過負荷 | 150% |
定格出力 | 約2mV/V |
非直線性 | ±0.05%RO(フルスケール) |
ヒステリシス | ±0.05%RO |
零点の温度影響 | ±0.03%RO/℃ |
出力の温度影響 | ±0.01%RO/℃ |
温度補償範囲 | -10~50℃ |
許容温度範囲 | -10~60℃ |
推奨印加電圧 | 1~12V AC or DC |
許容印加電圧 | 20V AC or DC |
入力抵抗 | 345~460Ω |
出力抵抗 | 350±5Ω |
初期不平衡 | ±1mV/V |
ケーブル | 0.05mm2 4芯 シールドクロロプレン 2m 外径 3mm |
その他 | 防水性=防滴程度 |
3)温度コントローラ MC-1000Y
温度設定範囲 | 室温~+1000℃ |
設定精度 | 0.1℃ |
熱電対 | Type K |
温度制御方式 | デジタルPID制御 |
分解能 | 1/30,000 |
定格電源 | AC 100V 50Hz |
電源入力 | 5A 500VA |
外寸法 | 幅260×奥行430×高177 |
重量 | 約15kg |
4.検収条件
1)温度範囲: Type K熱電対を使用して、室温 ~+350℃ まで、可変できること。(試料ステージに接続された熱電対からの温度測定とさせて頂きます。)
2)制御精度:設定温度が安定した状態で ±0.5℃以内に収まること。
3)延伸部が正常に機能すること
4)荷重検出部が正常に機能すること
5)ラマン測定が可能なこと
5.概略図